何となく積み上がった他のコミック雑誌よりも先に読み終わってしまったわけですが。
特に面白かったので。
その中でも、更に突出して面白かったことだけメモ。
・銀英伝
ヤンがユリアンにイゼルローンから離れてフェザーンに行ってこい……と説得する場面ですね。
しかし、読んで驚かされるのは、ヤンが正しく歴史という視座を持っていることです。自分が正義とは限らない……というレベルではなく、突き放した視点から自分達の立場を見ることもできています。
ユリアンは良い少年ですが(ユリアンをお嫁さんにしたいという願望もよく理解できる)、若いうちからヤンのような人間に導いてもらえるのは非常に幸運な立場ですね。
・陽だまり少女紀行
この連載は、これまで単にカラーで可愛い女の子が描いてあるだけで、ドラマとしての存在感が希薄だった感があります。分かる人しか入れないドラマと言っても良いのかも。
しかし、今回は「ぼんやり感」が払拭されて、登場人物の心の動きがきちんと一回りしてメリハリのあるドラマになっていると感じます。
更に、オタクに媚びた旧タイプではなく今時のスクール水着のプール授業から制服で市電に乗るというビジュアル的なインパクトとメリハリも付いています。
これなら、貴重なカラーページを独占的に使って描く価値が、絶対的にありますね。
・催眠
このオチは! あまりに予想外で面白かった!
・サテンdeヒナカ
バロムワン風の少年合体ヒーローが、巨乳のお姉さんの近くにいたら何が起こるのか。
何か彼らへの誘惑になるのか。
非常に良く分かる良い作品ですね。
・失踪入門
吾妻ひでおよりも中塚圭骸よりも名無しの司会者(?)の言葉が過剰に突っ走っていて面白いですね。青いキャンディー、赤いキャンディーとか前置き無しで言い出したり。
・お茶づけ係さん
いや~、これはもう100%予測不能の面白さ。
お茶碗ぐらいの背丈しかない小さな女の子の「お茶づけ係さん」が夜食のお茶づけを準備してくれる……というそれだけの話です。しかし、彼女一人で作られるわけではなく、最後は食べる人も材料を足しているところがドラマチックな展開でとても良いです。
素晴らしく良い作品ですね。
2007/07/31追記 §
書き落としを補足。
「青空にとおく酒浸り」の前回までの物語も凄く面白いです。
編集者も良い意味でのノリを持って暴走しているのは、ある種の気持ちよさですね。